
STORY
想いとこだわり
THE BEGINNING OF THE STORY
この物語は、
私の子供の頃の思い出から始まりました。
カレーはご馳走だ。
学校からの帰り道、路地を曲がると家の方からカレーの香りが漂ってくる。
「やったー! 今日はカレーだ!」
玄関を開け、母さんのいる台所へまっしぐらに駆けていく。
どうしてカレーのことになるとこんなに心がうきうきと弾むんだろう。
家族そろってわいわい食べるカレーがほんとうに楽しいからだろうな。
「カレーライス」なのか「ライスカレー」なのか兄ちゃんと言い合ったり、
ルウのかけ方やごはんの盛り方を変えて見せ合ったり。
卵をのせて先に卵かけご飯にして食べたりして、キャーキャーやんちゃに遊びながらばくばく食べる。
父さんや兄ちゃんが食べるのは辛いカレーだ。僕も早く大きくなって辛いカレーを食べたい。
なんて思いながら、これでもかというほどたくさん食べる。
「ぷっはぁ~! 食ったあ~!」
ダメだ、もう動けない。 はちきれそうなおなかをなでながら思う、カレーってなんておいしいんだろう。
みんなでカレーを食べるって、カレーを囲む時間って、なんて幸せなんだろう。
カレーはご馳走なんだな。
母さんがたくさん作ってくれたカレーは次の日の朝もまたその夜も、
僕たちはまったく飽きもせず、楽しくおいしく食べたものだ。
いくつになってもあの頃のことを思い出す。
カレーの香りに満ちた食卓、みんなの笑い声、
わくわくした気持ちがカレーを食べるとよみがえり、今の自分を元気にしてくれる。
歌と同じで、カレーはいくら時がたっても忘れられないあの時を思い起こさせてくれる素晴らしい料理だ。
私たちが提供する今日の一皿が、誰かの些細なきっかけと相まって、
ずっと忘れられない思い出になったり、元気で明るく前を向いて歩めるよう、
またエネルギーの源のようなものになるよう、精一杯心を込め、明るく丁寧につくり提供しよう。
カレーは“幸せのシンボル” なのだから。
カレーに溶け込んだ4つの想い / THE ESSENCE OF OUR CURRY
明日へのカレーってどんなカレー?
何が溶け込んでいるの?
<欧風カレー>
であること
昔から私たちが食べてきたカレーライスは、インドではなくイギリスから伝わってきました。
小麦粉をバターで炒めたルウを使ったり、玉ねぎをきつね色になるまで炒めるなど西洋料理の技法を用い、料理人たちが創意工夫を繰り返し、
日本独自の「欧風カレー」が誕生しました。
そんな「欧風カレー」に多大なる敬意を表しながらも、現代的なエッセンスや発想を加え開発し、誕生したものが私たちのカレーです。
<西洋料理店のカレー>
であること
ある日、父が連れて行ってくれた高級な西洋料理店。
ピーンと敷かれた真っ白なテーブルクロスに整然と並ぶ銀色のカトラリー。
穏やかに流れるクラシック音楽。
ガラスの花瓶に生けられた黄色のお花。
お行儀よくしていないと叱られそうなお店だったけれども、大きくなったらこういうところで食べようと心に誓ったカレーのように、
品高くあり続けたいと思います。
<日曜日のカレー>
であること
小さな頃、僕たちにとってご馳走だった日曜日のカレー。
その、おいしくてたくさん食べられる、楽しい優しい、カレーのエッセンスを込めています。
<まるで天にも昇るかのようなカレー>
であること
すぅっと入ってくるまろやかな舌触りとハッとするような優美な香り。
旨味・甘味・辛さをバランス良く整えた親しみあるカレーに、
第一印象から余韻まで、まるでふわ~っと天にも昇るかのような風味の演出を与えています。
SPACE CREATING
空間づくりについて
父が連れて行ってくれた高級な西洋料理店で体感した、真っ白なテーブルクロスや銀色のカトラリー、クラシック音楽、そして黄色の生花からインスパイヤされた、カレーショップの概念を覆すような真っ白な空間に、ロゴやペンダントライトの黄色がアクセントになっています。
(※カレーに溶け込んだ4つの想い / THE ESSENCE OF OUR CURRY を参照)